鬼童丸/鬼童【キドウマル/キドウ】

鬼童丸(鬼童)は平安時代に市原野の洞窟を根城にしていたという鬼で、人並み外れた怪力を持ち、妖術も操ったとされている。容姿に関する記述は少ないが、一説に肌が赤く、裸体のような姿であったともいわれる。この鬼童丸の伝説は概ね以下のような内容になっている。 酒呑童子を討伐した源頼光の弟である源頼信によって捕えら…

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巻三 (33)大太郎盗人の事(後)

  さて大太郎一味は、何とか屋敷へ忍び込んだものの、 どうにも、恐ろしくてならない。  そろそろと進むうちに、やがて、あばら屋の一室に灯りが見えてきた。 軒先に簾を吊してあり、その内側で誰かが火を灯している。 なるほど、中には数多の編み籠も見えた。  だがその簾の内側こそが、恐怖の源のようであり、 さらに、矢…

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第19話~長崎の幽霊寺

 むかしむかし、長崎市の西坂町(にしさかちょう)にある本蓮寺(ほんれんじ)に、日親(にっしん)という坊さんがやってきました。 このお寺は元々、サン・ジュアン・パプチスタ寺といい、キリシタンの人たちがお祈りをする教会で、身寄りのない子どもたちやお年寄りたちの世話もしていました。  ところが天正十五年の事。 天…

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伝説の鬼の名前、鬼童丸

『古今著聞集』 酒呑童子を討伐した源頼光が、弟の源頼信の家に行った時、厠に鬼童丸が捕えられていた。これを見た頼光は「無用心だから鎖でしっかりと縛っておけ」と頼信に言って、その夜は頼信の家に泊まった。鬼童丸を鎖で縛られていたが、その力で容易く引きちぎり、頼光の寝込みを襲おうと窺っていたが、これに気づいた頼光は…

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「血吸(ちすい)」

古くから鬼や魔物、妖怪の類を退治する英雄譚は、様々な伝承として日本各地で存在。ひとつの物語が場所や時代の変化によって少しずつ形を変えて、幾通りもの物語へと派生することも多々あります。そういった数ある伝説のひとつに登場するのが、今回ご紹介する「血吸」という刀。中世において人々に恐れられた日本三大妖怪の1匹に数え…

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目を覚ます

 あるところに、ひまさえあれば、いねむりばかりしている亭主がいました。 今日も店先でひなたぼっこをしながら、コックリ、コックリと、気持ち良さそうにいねむりをしています。「あれっ、またいねむりが始まったよ。ねえ、お前さん。みっともないから中に入って、奥の部屋で休みなさいな」 女房が見かねて、店の中から声をかけま…

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新しい

 山に猟に行った猟師が、大きなイノシシを見つけました。(しめしめ、一発で仕留めてやる) 猟師は鉄砲をかまえると、イノシシに狙いを定めて引き金を引きました。 しかし猟師はうっかりして、鉄砲に火薬だけを詰めて、肝心の鉛玉を入れてなかったのです。 それでもイノシシは、火薬の『パーン!』という音にびっくりして…

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第22回 密教「密教は怪しい宗教じゃない」

密教と言うと、妖しげな呪術を使い、いろいろな願いをかなえたり、呪いをかけたりするような、そんなイメージで取られることが多いようですが、決してそんな妖しい宗教ではありません。密教と言うのは、「秘密仏教」の省略です。「秘密仏教」といっても、やっぱり怪しく聞こえるかも知れませんね。秘密の仏教・・・・。変な感じがします。…

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言霊~未来に向けての一歩

忘れたい辛い過去ほど、向き合わざるを得なくなる時があります。 そうなったら、強い心で受け止め、忘れたい過去に区切りをつけて 未来に向けて、次の一歩を踏み出しましょう。 何があっても前向きに進む事で 救いの手が差し伸べられるものです。 See You Again  by-nagisa

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『血洗池~3つの伝説話」

京都市山科区の北西部になんともオドロオドロシイ地名があります。その地名とは「血洗町(ちあらいちょう)」。     字を見るからに何かいわくがあることが間違いなさそうな地名ですが、その由来は今もこの地に残る「血洗池(ちあらいいけ)」の伝説から来ていると言われています。  &n…

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巻三 (33)大太郎盗人の事(前)

昔、大太郎という、たいそうな、盗人の大将軍がいた。 あるとき、京都へ出向いて、何か盗み出せそうな家があれば侵入してやろうと、 あちこち見て回っていると、周囲も荒れて、門なども傾いた屋敷を見つけた。  隙間から覗くと、屋敷内に男気は無く、女がいるだけで、さらに、 張り布をたくさん散らかしながら、八丈絹などの高級品…

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「朝日丸(あさひまる)」

名の知れた刀には、語り継がれる物語があります。それは、その刀が生まれた話や刀が活躍した話、刀を巡る神々や人の物語、言い伝えなど多様なものです。1振の刀の背景にあるものが、その刀の価値を高め、人を惹き付ける魅力になっています。刀を知ることで、その時代の出来事や人物、あるいは文学や思想を知ることもあるでしょう。そ…

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第18話~墓場へ行く娘

 むかしむかし、ある田舎に、たいそうな長者(ちょうじゃ)がいました。 長者にはきれいな一人娘がいて、もう年頃です。 そこで長者は、娘に婿さんを取る事にしました。 すると、そのうわさがすぐに広がって、「よし、自分こそが、婿になろう」「いいや、おれこそが、長者の娘婿にふさわしい」と、婿さんの希望者(きぽうしゃ)が、大…

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