巻三 (35)小式部内侍、定頼卿の経にめでたる事

  今は昔、和泉式部の娘・小式部内侍には、 中納言・藤原貞頼も言い寄っていたが、 その時には、時の関白殿下が通っていた。  さてある晩、関白殿下と内侍が、 内侍の部屋で仲良く寝ている時、 何も知らない貞頼公がお越しになった。  侍女が慌てて、貞頼公に、「実は」 と告げると、公は沓をはき直して帰りかけたが、 少…

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第21話~井戸から聞こえる悲鳴

 むかしむかし、羽後の国(うごのくに→秋田県)の大館(おおだて)に、長山武太夫(ながやまぶだいゆう)という剣の名人がいました。 その名は国中に知れわたり、武太夫の道場には、全国から入門を願い出る者が大勢集まってきました。 武太夫は気立ての良い奥さんと数多い弟子に囲まれて、とても幸せでした。 ところが武太夫には…

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「騒速(そはや)」

古から語り継がれる刀には、史実とされる歴史から、長い時間の中で人々によって伝承されてきた伝説まで、数々の物語があります。特に名刀や神刀、宝刀などと呼ばれる刀には、様々な伝説があるものです。例えば平安時代の公卿(くぎょう:国政を担う職位)にして武官だった坂上田村麻呂(さかのうえのたむらまろ)が所有し、戦で使用し…

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オオカミと山犬の違い

 「オオカミと山犬のちがいがわからないが、何とか、わかる方法はないものだろうか」 一人が言うと、もう一人の男が、「おや、お前は、その違いがわからんのか?」「ああ」「それじゃあ、おれが教えてやる。 まず、オオカミらしいやつが出たら、ぼうでなぐってみるとよい。 山犬はおくびょうだから逃げていくし、オオカミなら、お…

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『つかずの鐘の哀しくも、恐ろしい物語』

京都市の北西に、平安時代以前より織物が盛んだった「西陣(にしじん)」。西陣は高級絹織物、“西陣織”の産地として、日本のみならず、フランスのリヨン、イタリアのミラノと並び、世界的にその名声を誇っています。その西陣の一角に“鳴虎(なきとら)”と呼ばれる浄土宗のお寺、「報恩寺(ほうおんじ)」があります。 …

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第24回 仏壇「仏壇の意味とは?」

あなたの家には、お仏壇はあるでしょうか。昔の家庭には、たいてい仏壇があったと思いますが、最近では、核家族化が進んでいますから、仏壇のない家庭も増えていると思います。「うちでは、誰も亡くなっていないから・・・・。」というのが、仏壇のない理由でしょう。そうですね、普通、その家でどなたかが亡くなったら、仏壇を購入し…

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言霊~希望の明日

人生って本当にいろいろな事が起こりますが 元気を出しましょう。 人生って中々思い通りには行かず 何方にでも多少なりとも辛いこと苦しいこと、 泣きたくなるような悲しい出来事が突如として起こってしまうものです。 ですが悔やんで振り向いてばかりいても状況は変わりません。 心を奮い立たせ、力を振り絞り…

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水、お望み次第

 江戸時代には、色々と変わった商売がありましたが、そんな江戸の人たちも首を傾げる様な看板が、ある店にかけてありました。《水、お望み次第》 それを見た一人の男が、店の中に入っていきました。「ご亭主、『水お望み次第』とあるが、それはどう言う意味だ?」「はい。甘い水でも、辛い水でも、お客さまのご注文の水を、何で…

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