巻三 (37)鳥羽僧正と国俊、たわむれ(後)

さて国俊は、僧正がいつも、 湯舟に細かく切った藁をいっぱいに入れ、上にむしろを敷くと、 あちこち歩き回ったあとで湯殿へ入るや、遠慮躊躇なく、「えさい、かさい、とりふすま!」 のかけ声とともに、むしろを敷いた湯舟へドッスンと飛び込むことを喜びにしている ――そんな奇癖のあることを思い出した。  国俊は湯殿へ行くと…

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「小烏(こがらす)」

歴史に名を残す名刀の中には、一族の宝として代々大切に受け継がれてきた物が多くあります。絶えず移り変わる無常の世を見つめてきた刀は数々の伝説をまとい、歴史に刻まれ今の世に伝わっています。「盛者必衰」の無常観で描かれた「平家物語」には、「平家にあらずんば人にあらず」と記されるほどの平氏の栄華と、その滅びゆく様が描…

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69夜~青鷺火(あおさぎび)

前編~晦 69夜~青鷺火(あおさぎび) 青鷺火(あおさぎび、あおさぎのひ)は、サギの体が夜間などに青白く発光するという日本の怪現象。別名五位の火(ごいのひ)または五位の光(ごいのひかり)。 江戸時代の妖怪画集として知られる鳥山石燕の『今昔画図続百鬼』や『絵本百物語』にも取り上…

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ほらふき

 話の大げさな男が言いました。「この前、山へ行ったら大きなイノシシが出てな、それがこっちに走ってくるんだ。 そこでおいらはあわてて、駆けてきたイノシシの角(つの)をがっちりと掴んだんだ。 角を掴むのがもう少し遅かったら、大変な事になっていたよ」 するとそれを聞いた友だちが、あきれ顔で言いました。「バカな事を言…

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更新案内

畏怖草子・御案内 項目  1、畏怖草子・御案内        記事数 10  2、怪画展                    &n…

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言霊~自分を励ます

辛い時 悲しい時 苦しい時 そっと両頬に手を当ててみましょう。 貴方を癒せるのは 貴方自身 貴方の本当の悲しみや苦しみを知るのは 貴方自身 「大丈夫、貴方が頑張ってるのは良く知っている」 そうやって 貴方自身を励ましてあげましょう。 See You Again  by_…

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お伽草子「鈴鹿の草子」

坂上田村麻呂伝説に登場する立烏帽子と騒速 坂上田村麻呂は、日本各地に数々の伝説を残しています。 東は東北から関東、静岡県や三重県など、西は兵庫県や岡山県まで、坂上田村麻呂に関する様々な物語が広く語り継がれています。 各地の鬼や賊を討ち取ったと言う英雄譚(えいゆうたん:英雄の活躍を描いた物語)が多く、…

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第27回 宗派「宗派争い、釈迦の恥」

日本の仏教には、数多くの宗派があります。主だったところでは、華厳宗・法相宗・三論宗・律宗・真言宗・天台宗・浄土宗・浄土真宗・一向宗・時宗・臨済宗・曹洞宗・日蓮宗・黄檗宗などがあげられます。ご存知の宗派もあれば、ご存知でない宗派もありましょう。でも、どれも歴史のある宗派なんですよ。いったなぜ、こんなに宗派が分かれて…

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話半分

 京都へ商売に行く江戸の男に、物知りの男が注意をしました。「京へ商いに行くそうだが、くれぐれも油断するなよ。京の商人はみんな曲者で、とんでもない値段をふっかけてくるからな。だから京では、何でも値切ったほうが良いぞ。例えば二両の値段なら、本当は一両の品だと思え」「おお、では、その通りにしよう」 男は喜んで、…

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