巻三 (38)絵仏師良秀、家の焼を見てよろこぶこと

これも今は昔、仏様の絵を描く仏師で、良秀という人がいた。  ある晩、良秀の隣の家から火が出た。 風が強く吹いて、すぐに延焼しそうだったから、良秀は、ひとまず表へ逃げた。 家の中には、人から依頼された仏画もあり、 まだ着物も身につけることのできない妻や子供も残っていたが、 知らずに逃げ出した良秀は、そのまま家の正…

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第5話~渡辺綱と酒呑童子

 むかしむかし、あるところに、酒呑童子という若者がいました。 だれもが、ほれぼれするような色男で、毎日毎日、あちこちの女の人から、想いをよせる手紙が束になってとどきました。「好きです。わたしと結婚してください」「お願いです。結婚してください」「家はお金持ちです。お金をあげますから、結婚してください」 どの…

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字の読めぬ犬

 犬の大嫌いな男が、友だちに聞きました。「なあ、犬がいても平気で通れる方法はないだろうか?」「そいつは、簡単な事さ。 手の平にトラという字を書いておいて、犬がいたらそいつを見せるんだ。 すると犬は、おっかながって逃げるから」「ふむふむ。そいつは、良い事を聞いた」 男はさっそく、手の平にトラという字を書いて出かけま…

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「鵜丸(うまる)」

貴族社会から武家社会への過渡期となった平安時代後期に起こる、「保元の乱」(ほうげんのらん)や「壇ノ浦の戦い」(だんのうらのたたかい)など、源氏や平氏、朝廷を巻き込む大きな合戦は、様々な物語の題材になっています。それが「平家物語」(へいけものがたり)や「平治物語」(へいじものがたり)、「保元物語」(ほうげんもの…

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安達ケ原の鬼女(あだちがはら)

福島県の安達ヶ原に鬼女の伝説が伝わっています。 鬼女はこの地の一つ屋に住んでいて、 訪ねてきた旅人を取って食っていました この 物語は 「黒塚」の名前でも知られています。 安達ケ原の鬼女 昔々ある日の夕暮れ、この地に東光坊裕慶という高僧とそのお供のお坊さん数人が訪れました。 「 もし、大変申し訳ないのです…

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言霊~挑戦

苦しく辛い状況に呆然と立ち尽くし 「何故こんな目に」 と、嘆いてしまう事も人生には起こります。 ですが下を向いて嘆いてばかりいても人生は変わりません。 ではどうすれば良いのか? 立ち向かい動きましょう。 貴方にはご自分でも気づかない程の底力があります。 希望を捨てず 前を向いて 挑みましょう。 …

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第28回 お墓なんていらない

題名が題名であっただけに、随分と誤解を受けたようですが、内容は非常識な事ではありません。少々過激だっただけです。どういう内容だったかと言いますと、「無理してお墓を持つ必要は無い」というお話でした。 魂しいは、骨にあるわけではありません。ですから、いくらお墓の骨を拝んでいても供養には、ならないのです。供養は、…

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ネズミおろし

「近頃はネズミが出て困っているんだ。かと言って、ネコは嫌いだし。いくらネズミ取りを仕掛けても、いっこうにネズミはかからないし。どうすればいいのか」 男が相談すると、物知りな男が言いました。「それなら良い方法があるが、ネズミの出る穴はどれだい?」「ほれ、あの穴から出入りするんだ」 男が部屋のすみの穴を指差す…

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