第25話~吹雪と女幽霊

 むかしむかしのある寒い冬の夜ふけ、村はずれにある久左衛門(きゅうざえもん)というお百姓の家の戸を、 トントン、トントン。と、叩く者がいました。 ふとんにくるまってねむっていた久左衛門は、目を覚まして、(誰だ? こんな夜ふけに)と、起きあがると、「どなたですかな?」と、戸口へ声をかけました。 すると、戸のむこうから若…

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第24話~藤原千方の四鬼(ふじわらのちかたのよんき)

金鬼(きんき)風鬼(ふうき)水鬼(すいき)隠形鬼(おんぎょうき) 『太平記』第一六巻「日本朝敵事」平安時代、時の豪族藤原千方は、四人の鬼を従えていたどんな武器も弾き返してしまう堅い体を持つ金鬼、強風を繰り出して敵を吹き飛ばす風鬼、如何なる場所でも洪水を起こして敵を溺れさせる水鬼、気配を消して敵に奇襲をかける…

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巻三 (41)伯母の事(前)

 今は昔、多気の大夫という豪族の当主が、 常陸の国から、ある訴訟のため上京したとき、 滞在先の向いに住む、越前守という人のもとで、説法会が開催された。  ちなみにこの越前守は、「伯の母」とも呼ばれ、 世間からたいそう尊ばれていた歌詠み名人の、父親。 越前守の妻は伊勢の大輔で、そこには姫君たちがたくさんいた…

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「泉水(せんすい)」

歴史上の名だたる武将と名刀とは、切っても切れない縁があります。平安時代末期から鎌倉時代にかけての中世日本において、数多くの武将が生まれ、数々の戦が起こり、武将らは刀剣を手に各地で激しい合戦を繰り広げました。朝廷や貴族による中央集権政治が崩れ、武士に覇権が移行していくなかで、二大勢力であった源氏と平氏。平清…

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外の方がまし

 若者が四、五人集まって、おしゃべりをしていました。 するとその中の一人が、 ぷすーーっと、音のしないおならをしたのです。 「くさい! 何だ、誰か屁(へ)をしたな」「本当だ! くさい、くさい! これはたまらん」 みんなは自分のふところへ、思わず顔を入れました。 そこでおならをした本人も、何食わぬ顔でふところ…

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九条堀河に住む女、夫を殺して泣くこと

夜、内裏の東南から女の泣く声が聞こえる。醍醐天皇は蔵人に女を捜すよう命じたが、近くには人の気配さえない。蔵人は、夜更けに大勢を引き連れて京中を捜し回ることに。天皇が執拗に女を捜させた理由は? 『今昔物語集』巻第29-14 「九条堀河住女殺夫哭語」 現代語訳  今は昔、延喜の御世のこと、…

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百叩きの門

百叩きの門 (人のうめき声がするお寺の門) 京都市上京区に“出水(でみず)”という地名があります。その名の通り、この界隈には古くから豊富な名水が湧き、かつては造り酒屋が軒を並べたところです。 その出水の西のはずれに、「観音寺(かんのんじ)」という浄土宗の小さなお寺があります。このお寺には…

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言霊~諦めない

人生って中々順調には行かないもので 時に裏切られたり、報われなかったり 失敗したり、壁にぶつかったり 問題が山積みになり頭を抱えたり ですが決して逃げず、諦めず 冷静に一つ一つ乗り越えて行きましょう。 幾ら時間がかかっても、何度失敗しても それらがいつか、自分の力になるのだと信じましょう。 …

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小男の願い

 生まれつき背の低いのを、とても悩んでいる男がいました。 男は毎日、神棚に手を合わせては、「神さま、何とぞ背が高くなります様に、どうかお願いします」と、お祈りをしていました。  ある日の事、ついに男の夢の中に神さまが現れて、こう言ったのです。「お前の望みを、叶えてやろう。 目覚めた後、ご飯を一升(いっし…

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