巻三 (42)同人、仏事の事

  今は昔、伯の母が、永縁僧正という高僧を招いて、 つくらせた仏の供養を行ったときのこと。  僧正の前、いろいろと寄進物を並べた中に、紫色の薄物に包んだものがあった。 開けてみると、  朽ちけるに長柄の橋の橋柱 法のためにも渡しつるかな   ――朽ちてしまった長柄橋の柱ですが、仏法のためにもお渡しします。  …

続きを読むread more

「骨食(こつしょく)」

「古事記」の時代より、様々な書物に数多くの刀剣や名将らが登場し、日本の歴史とともに今に伝えられてきました。今回紹介する刀剣は、平安時代末期、源頼政(みなもとのよりまさ)が「鵺」(ぬえ)と呼ばれていた不気味な鳴き声の妖怪を退治した説話に登場する「骨食」(こつしょく)です。「ほねばみ」や「ほねくい」、「ほねか…

続きを読むread more

越後屋

 むかし、押し込み強盗の一団がおりました。 ある晩、江戸一番の越後屋呉服店(えちごやごふくてん→今の三越の前身)へ押し込む事に決まりました。 親分は、手下(てした→子分のこと)の者を見渡して、「よいか。人に怪我をさせて反物(たんもの→服)を汚したのでは、金にならん。 店の奴は、片っ端からさるぐつわ(→声を立てさせない…

続きを読むread more

第27話~二人の幽霊

 むかしむかし、ある町に、色白で気の弱い、新兵衛という侍がいました。 弓も刀も駄目で、仲間からは腰抜け呼ばわりされていました。  さてこの町に、元は町一番の長者屋敷だったのですが、今は荒れ果てて幽霊が出るとの噂の屋敷がありました。 ある日、仲間の侍たちから、「どんなに強い侍でも、一晩とおれんというぞ。お主なんか、門をく…

続きを読むread more

雛祭りとは

  「雛祭りとは」 「雛祭り」(ひなまつり)は、女の子の健やかな成長と幸せを願う年中行事です。雛人形を飾り、雛あられ・菱餅などの和菓子を飾って食べます。雛人形を飾る理由や、雛人形を飾る期間、起源・歴史等について見てみましょう。 1、雛祭りってどんな行事? 雛祭りとは3月3日の年中行事のこ…

続きを読むread more

鈴鹿御前の物語~裏切り~

     さて、年月が過ぎ少りんが三歳になった年の八月七日のことです。俊宗は人里離れた鈴鹿山の屋敷にて、ふと物思いにふけっていました。 (都から離れてもう何年経ったのだろう。せめて風の便りでもあればいいが、ここには誰もやってこないから都の様子はさっぱり分からない。ああ、都が恋しいなあ…

続きを読むread more

刑部卿敦兼の夫人、夫の朗詠に感じ入り、夫婦仲を深くすること

妻の不機嫌に振り回される夫。篳篥(ひちりき)の名手、藤原敦兼の夫としての哀愁と優しさが心に染みます…… 『古今著聞集』巻第8 好色第11 「刑部卿敦兼の北の方、夫の朗詠に感じ契を深うする事」 現代語訳  刑部卿の敦兼は、容貌がいかにも醜い人だった。その夫人は、際立って美しい人で…

続きを読むread more

言霊~自信

他人の言葉より 自分の心を信じよう 変えられない過去より 変えられる未来を信じよう 迷わず 惑わされず 振り向かず 振り回されず 間違いを恐れず 前を向いて 自分の目標だけを見つめて 周りを気にせず 信じる道を歩み続けよう それが貴方だけの素晴らしい道となるのだから See Y…

続きを読むread more

七の字

 字を習いたての男がいたので、近所の者がからかい半分に、「おい、字を習っているそうだな。それなら七と言う字を書いてみな」と、言いますと、男は筆と紙を手に取り、「お安いご用だ」と、まず一を引き、今度は縦に一を引き、そのまま左へすっと曲げました。 それを見た近所の者はゲラゲラと笑って、「馬鹿だな。七という字は…

続きを読むread more