巻四 (59)三川の入道、遁世の事(後)

     そうして、入道の御前で、生きながら雉子の羽をむしらせた。  雉子が暴れるところを押さえつけ、ただむしりにむしり続ければ、 雉子は目から血の涙を垂らし、さかんに瞬きしながら、 こちらあちらへ救いの目を向けるから、 さすがに耐え難く、中座する者も出る始末だが、「これぞまさに鳥の鳴き声」 な…

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「千葉周作-最強の剣豪・剣士」

江戸時代後期に現れた剣術界の巨星「千葉周作」(ちばしゅうさく)。わずか1代で自ら創始した「北辰一刀流」(ほくしんいっとうりゅう)を国内屈指の剣術流派に押し上げ、門下の育成に無類の手腕を発揮したことで知られる剣豪です。その剣技は「坂本龍馬」をはじめ、幕末期に活躍した数多くの志士に受け継がれました。しかし、千葉周作が…

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巻四 (59)三川の入道、遁世の事(前)

    三河入道が、まだ俗人だった頃のこと。 三河守に任じられた入道は、もとの妻を追い出し、 若くきれいな思い女を新たな妻として迎え、三河へ引き連れて行った。  だが三河へ着くなり、その新しい妻は長く患いついてしまい、 美しかった容姿も次第に衰え、やがて亡くなってしまった。  入道は哀しさの余り、弔うこと…

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第43話~蛇になった娘

 むかしむかし、上野の村に、七つになっても歩けない娘がいました。 ある日のこと、その娘は母親に、「花ダンゴが食べたい」と、ねだりました。 母親が娘に花ダンゴをあたえると、不思議な事に花ダンゴを食べたとたん娘は歩けるようになって、家から半里(はんり→約2キロ)もはなれた湖へ、水くみにでかけたのです。 心配した母親が…

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「佐々木小次郎-最強の剣豪・剣士」

「宮本武蔵」(みやもとむさし)最大のライバルとして名高い「佐々木小次郎」(ささきこじろう)。独自の流派「岩流」(がんりゅう)を編み出し、物干し竿とも呼ばれる長刀を操った剣豪として知られていますが、その生涯は謎だらけ。並みいる剣豪の中でも、ミステリアスさにかけてはトップクラスと言えるでしょう。しかし、諸説をたど…

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70夜、提灯火(ちょうちんび)

前編~晦七十夜、提灯火(ちょうちんび) 提灯火(ちょうちんび)は、日本各地に伝わ     る鬼火の一種。田の畦道などに出没し、地上から高さ1メートルほどの空中を漂い、人が近づくと消えてしまう[1]。四国の徳島県では、一度に数十個もの提灯火が、まるで電球を並べたかのよ…

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ちっとも変わらん

 当然ですが、美人でもおならは出ます。  ある日、美人で有名な『おさん』ねえさんが、うっかり、ブーとおならをしてしまいました。  ハッとしてまわりを見ますと、まずい事に、おさんねえさんの恋人の久助(くすけ)がすぐ後ろにいたのです。(どっ、どうしよう)  そこでおさんねえさんは、口真似をし…

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