休題閑話 第四巻(渚の独り言)後記

コメント  宇治拾遺物語が4巻まで終りました。 飽きっぽい性分なので、ここまで続いていることに我ながら驚いてますが、これも、毎日、たくさんの訪問者数があるためです。ありがとうございます、ありがとうございます。 さて全15巻のうちの4巻ですが、全198話で考えると69話まで済んだので、すでに3分の1は訳し…

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巻四 (69)慈恵僧正戒壇築かれたる事

    これも今は昔、 慈恵僧正は近江の国・浅井郡の人であった。  さて、比叡山に戒壇を築く許しが下りたものの、 人足を揃えることが出来ず、未だ、戒壇を築くことができなかった折のこと。  浅井郡の郡司と、慈恵僧正とは、師匠・檀家の間柄で親しくしていたため、 ある仏事に、慈恵僧正が招かれた。 そして僧膳に提…

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第9話~もちの好きな山姥(やまんば)

   むかしむかし、あるところに、小さな村がありました。 山あいの村なので、お米がろくにとれません。 それでも村の人たちは、お正月が近くなるとそのお米でもちをついて、神さまにそなえたり、自分たちで大事に食べたりしていました。 ところがこの村の山には、もちの大好きな山姥(やまんば)がいて、もちつきが終わ…

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第53話~ハリセンボンになった嫁さん

 むかしむかし、富山のある港町に、息子のお嫁さんをいつもいじめるお母さんがいました。  ある日の事、隣の部屋で自分の裁縫箱(さいほうばこ)をのぞいていたお母さんがお嫁さんにむかって、「あんた、わしの針山から針をとったね! 一本、たりないんだよ!」と、言いました。 むかしの裁縫道具は、女の人の大切な嫁入り道具…

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あごとかかと

 江戸の街角で、二人の武士がけんかを始めました。「このやろう」「なにお・・・」 二人は刀を抜くと、「ていやー」「とりゃー」と、切り合いました。 そして一人があごを切り落とされ、もう一人が足のかかとを切り落とされたのです。 すると、近くを通りかかった年寄りが止めに入りました。「まあまあ、どういう事情があるのか知りま…

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