これも今は昔。 仲胤僧都が、比叡山の僧衆から招かれて、 日吉神社二宮で法華経を誦経する導師をされたことがあった。
説法は、えも言われぬほど良いもので、終りの方になって、「地主権現が申せと仰るには」 と前置きして、「比経難持、若暫持者、我即歓喜、諸仏亦然」 という文句のところで、 ことさらにの「諸仏」と…
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前編 晦74夜~片輪車(かたわぐるま)
片輪車(かたわぐるま)は、江戸時代の怪談などの古書に見られる日本の妖怪。炎に包まれた片輪のみの牛車が美女または恐ろしい男を乗せて走り、姿を見たものを祟るとされる。
京都の片輪車
『諸国百物語』より「京東洞院かたわ車の事」
延宝年間の怪…
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むかしむかし、江戸(えど→東京都)の四谷(よつや)というところに、喜右衛門(きえもん)という小鳥の店をしている男がいました。 めずらしい小鳥がいるというので、わざわざ遠くから買いにくるお客もあって、店はなかなかに繁盛(はんじょう)していました。 あるとき、上品な身なりの侍が店にやってきました。「うむ、色つやもよ…
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むかし、一人の役人が罪人の坊主をごそうするための旅をしておりました。 途中の宿屋で、この坊主が言いました。「お役人さま。もうすぐ江戸でございます。お世話になったお礼に、これでもどうぞ」 坊主は自分のお金で酒を注文すると、役人にたらふく飲ませて役人を酔いつぶしてしまいました。 そして坊主は役人の頭の毛を丸坊主にし…
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