走る名人


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 むかしむかし、あるところに、大変足のはやい男がいました。
 あんまり足がはやいので、みんなから『走る名人』と呼ばれています。

 ある時、『走る名人』が泥棒をおいかけていますと、

 向こうから友だちがやって来ました。


「何だ、何だ。そんなにあわててどうした?」
と、友だちが聞くと、この『走る名人』は、

「実は、泥棒をおいかけているんだ」
「何! その泥棒は、どこだ、どこだ?」

「ほれ、後ろから走ってくる」

  何と『走る名人』はあまりにも足がはやすぎて、追いかけていた泥棒を追い抜いてしまったのでした。

おしまい




See You Again  by_nagisa

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