ひろった手紙


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 若い男が二人で歩いていると、道の上に手紙が落ちていました。
 一人の男がそれを見つけて、
「これは、ちり紙の代わりにちょうどよい」
と、ひろって、ふところに入れようとすると、隣にいたもう一人の男が、
「頼む。その手紙を、おれにくれ」

「ああ、いいが、一体こんな物、何にするのだ?」
と、拾った男が聞くと、
「しばらく田舎(いなか)へ手紙をやっていないので、それをもらって代わりに出すのさ」

「しかし、他人の手紙だぞ。そんなんで大丈夫か?」

「なに、心配するな。どうせ田舎の人間は、誰も字が読めないんだから」

おしまい





See You Again  by-nagisa

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