巻十 (117)浄蔵が八坂の坊に、強盗入る事


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巻十 (117)浄蔵が八坂の坊に、強盗入る事



 これも今は昔、天暦の頃。
 浄蔵の住む八坂の宿坊に、大勢の強盗が暴れ込んだ。
 しかし、松明を掲げ、太刀を抜き払って目を剥いたまま、
 全員立ちすくんで、何もすることができない。
 そのまま数刻が過ぎた。

 さて夜がそろそろ明けようとする時になって、
 浄蔵が、ご本尊の前へ出て、
「もうお許しになるべし」
 と申し上げた。

 途端に、盗人どもは、何にも出来ないまま逃げ帰ったという。




原文
浄蔵が八坂の坊に強盗入る事

これも今は昔、天暦のころほひ、浄蔵が八坂の坊に、強盗その数入り乱れたり。然るに火をともし、太刀を抜き、目を見張りて、おのおの立ちすくみて、更にする事なし。かくて数刻を経。夜やうやう明けんとする時、ここに浄蔵、本尊に啓白して、「早く許し遣はすべし」と申しけり。その時に盗人ども、いたづらにて逃げ帰りけるとか。




(渚の独り言)


浄蔵△! という話ですね。

天暦:
天皇親政として有名な、村上天皇の時代です。

浄蔵:
天台宗の高僧。平将門の乱が起きた時に祈祷・調伏して、その甲斐あって鎮圧できたとされています。
父親は三善清行。「意見封事十二箇条」で有名な人の息子ですね。

ちなみに、「意見封事十二箇条」ってのは、「公地公民はもう限界でっせ」という意見書。
お受験知識的には、
・公地公民・班田収授法
  ↓
・三世一身法
  ↓
・墾田永年私財法
  ↓
・もう律令制は無理! ←ココ「意見封事十二箇条」
  ↓
・荘園制固まる
といった感じだった気がしますが、違うかもしれません。








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