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あー、先が長い。。。
「読んだことがないから、読んでみようー」という気楽な考えで始めた、「宇治拾遺物語」。
ちょっと前に、御伽草子を読んで記載して、人からもぼちぼち好評でしたし、自分でもあれこれ勉強になったので、「よし、今度は、何か物語を訳して行ってみようー」と、別に大して意気込みもせ…
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と、そのうちに表から、誰かが大声で話しているのが聞こえた。 何だろうと聞き耳を立てると、利仁の家の者のようで、「この辺の下人ども、よく聞け。 明日の未明に、切り口3寸、長さ5尺の芋を、各自1本ずつもって来い。 わかったか!」 などと怒鳴っている。 切り口が3寸、つまり十センチで、長さが5尺、1.5メー…
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その晩は途中泊まりで翌朝、 早くから道程をつづけるうちに、巳の時ごろになって、 向うから、三十騎ばかりの人たちがやって来るのが見えた。「迎えの者が来たようですね」「いや、まさか違うでしょう」 と言ううちに、だんだんと近づいてきた連中が、 ばらばらと馬から降りて、「おお、やはりここへおいででござった」 とい…
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今は昔。 鎮守府将軍・藤原利仁は、若いころ、さるお偉方の下で働いていたが、 ある年の正月の大宴会の後、 お屋敷の主人は、乞食や下賤の者へ食べ残しを放り投げる、恒例のとりばみを無しにして、 自分の家来たちに余り物をふるまった。
そういう家来の中に、長年お屋敷に仕えていた、五位という男があって、 食事の…
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今は昔、とある修行者が、摂津の国へやって来た。
そして、ある日の暮れ方に、 竜泉寺という、大きくて古びたお寺へたどりついて、 無住とはいえ、ほかに宿泊できそうな場所も無さそうだったので、 その晩は、そこへ荷を下ろして、休ませてもらうことにした。
さて、修行者が、不動明王の真言を唱えながら、「そろそ…
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今は昔、丹後国に、年取った尼さんが住んでいた。 この尼さんは、 地蔵菩薩はいつも夜明け前にこの世間を歩き回られる―― ということをどこかで聞いて以来、 歩き回る地蔵菩薩に一目会いたいと、 毎朝毎朝、暗い内から近所を歩き回っていた。
と、ある日、博打に負けてスッカラカンになった奴がこれを見つけて、「…
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これも今は昔のこと。 お役人が、20頭ばかりの馬に鮭を積んで、 はるばる越後の国から、京都へやってきた。
やがて粟田口へさしかかり、鍛冶屋の店先を通りかかると、 そこにいた、頭頂部が禿げて、 しょぼたれまなこで、風采の上がらぬ見習いが、 いきなり馬の間へ走り込んできた。
狭い道だったから、…
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これも今は昔、源定房という人のもとに、小藤太という従者がいた。 この小藤太は、殿様に仕える侍女と結婚して、 娘もまた、殿様に仕えていた。 そういう小藤太だから、殿様の仕事一切を取り仕切って、自宅も3倍4倍にすることもでき、やがて娘のもとへ、そこそこの御曹司が通うようにもなっ…
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これも今は昔、比叡山に登った田舎の男の子が、きれいに咲いた桜に、風が強く吹きよせるさまを見て、さめざめと泣きだした。 これを見た年上の僧侶が、おだやかに近づいて、「どうして泣くんだい。桜が散るのが惜しいのかな? 桜は本来はかないもので、こうしてすぐに散ってしまうものだ。しかし…
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これも今は昔、比叡山にかわいらしい男の子がいた。 僧侶たちが、夜の暇つぶしがてら、「そばがきでもこしらえるか」 と言い出したから、この男の子、やったぞと内心で喜んだものの、「でも、そばがきが出来上がるのを待って、寝なかったら怒られるだろうし」 と思い、隅の方で、寝ているふりをしながら、 できあがる…
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