"鬼伝説-後編 ×"の記事一覧

第40話~高丸 ― 東北地方に伝えられる伝説の鬼

 高丸(たかまる)とは、東北地方に伝わる鬼(または蝦夷)のこと。 平安時代に良民を苦しめていたことで、坂上田村麻呂に討伐されたと伝えられている。 高丸は、平安時代に東北地方に棲んでいたとされる伝説の鬼(または蝦夷)で、人々に害をなしたので勅命によって坂上田村麻呂に討伐されたと伝えられている。…

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第39話~阿久良王 ― 由加山に棲んでいた鬼の頭目

 阿久良王(あくらおう)は、岡山県の由加山を根城にしていたとされる鬼の頭目のこと。 人々を襲う悪鬼であったため、坂上田村麻呂に討伐されたと伝えられている。 阿久良王は、平安時代に岡山県倉敷市にある由加山に棲んでいたとされる鬼の頭目で、資料によっては 阿久羅王、阿黒羅王 とも表記される。身…

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第38話~阿黒王 ― 秋田県湯沢市に伝わる伝説の鬼

 阿黒王(あくろおう)とは、秋田県湯沢市に伝わる伝説の鬼(または蝦夷)のこと。 当地の岩窟に棲んで周辺を荒らし回っていたため、坂上田村麻呂に討伐されたと伝えられている。 阿黒王は、秋田県湯沢市に伝わる鬼(または蝦夷)で、平安時代に松岡の山中にあった岩窟を根城にして各地を荒らし回っていたため、…

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第37話~阿久留王-鹿野山でヤマトタケルと戦った鬼

阿久留王(あくるおう)とは、千葉県の鹿野山を根城にしていたとされる鬼のこと。 景行天皇の御代に上総一帯を支配して良民を苦しめたため、ヤマトタケルに討伐されたと伝えられている。 阿久留王は、千葉県君津市にある鹿野山に伝わる鬼(あるいは蝦夷)で、景行天皇の御代にヤマトタケルが東征の折に討伐したとされて…

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第36話~悪毒王-長崎県の壱岐島に伝わる鬼

  悪毒王(あくどくおう)とは、長崎県にある壱岐島に伝えられる鬼のこと。 壱岐島に棲む鬼を支配した鬼の大将で、島民を害したことから百合若大臣が討伐したとされている。 悪毒王とは長崎県の壱岐島に棲んでいたとされる鬼の大将で、手下の鬼どもを率いて島民を苦しめたことから、百合若大臣によって退…

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第35話~悪路王-東北地方に伝わる鬼の頭目

  悪路王(あくろおう)とは、東北地方に伝わる鬼または蝦夷の頭目のこと。 悪事を働いて良民を苦しめていたことから、坂上田村麻呂に討伐されたと伝えられている。 なお、茨城県の鹿島神宮や鹿島神社には悪路王のものとされる首像が納められている。 悪路王は、主に東北地方の伝説に登場する鬼あるいは蝦夷の…

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第34話~藤原千方の四鬼-金鬼·風鬼·水鬼·隠形鬼

  藤原千方の四鬼(ふじわらのちかたのよんき)とは、三重県に伝えられている伝説の四鬼のこと。 金鬼(または火鬼)・風鬼・水鬼・隠形鬼を指し、それぞれが特有の特殊能力を持っていたとされる。 伊賀国・伊勢国に勢力を誇った藤原千方に使役されていたが朝敵として討伐された。 『太平記』の「日本…

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第33話~官那羅-戸隠山に棲んだ女好きの鬼

官那羅(かんなら)とは、平安時代に戸隠山に棲んでいたとされる鬼のこと。 変身能力を持ち、普段は若者や童子に化けていたとされ、婦女を口説いては都で遊んでいたという。 不思議な笛を持っていたが在原業平に盗られてしまい、これを取り返そうとしたことで朝敵として討伐された。 官那羅は、中世の神道書『神…

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第32話~戸隠山の鬼たち

  長野県の戸隠山には多くの鬼伝説がある。 ここでは、戸隠山の鬼伝説について解説してみようと思う。 戸隠山の鬼について 戸隠山(とがくしやま)は長野県長野市にある山で、『日本神話』の「天岩戸」において岩戸に隠れていたアマテラスをアメノタヂカラオが引っ張り出す際に、岩戸を投げ飛ばし、それが落ち…

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第31話~八面大王-魏石鬼窟に棲んでいた伝説の鬼

 八面大王(はちめんだいおう)とは、長野県安曇野市の魏石鬼窟に棲んでいたされる伝説の鬼のこと。 魔力と暴力を使って地元の人々を苦しめていたため、征夷大将軍の坂上田村麻呂に討伐されたと伝えられている。 その一方で、民衆のために戦った義賊とする説話や、8人の盗賊の首領だったという説話もある。 八面…

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第30話~温羅-岡山県の桃太郎伝説に登場する鬼

  温羅(うら・おんら)とは、岡山県に伝わる伝説の鬼神のこと。 鬼ノ城から一帯を支配していたされるが、朝廷から派遣された吉備津彦命に退治されたといわれている。 そのため、岡山県ではこの伝説が「桃太郎」のモチーフとなったとされている。 温羅は岡山県の吉備地方に伝わる鬼で、伝説によれば異国から空…

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第29話~良源(元三大師)-魔除けの護符となった高僧

良源(りょうげん)とは、平安中期の天台宗の高僧で元三大師(がんさんだいし)と通称されている。 法力を使って夜叉に化身したという逸話があり、その姿を描いた護符には魔除けの効験があるとされている。 良源は平安時代の天台宗の高僧で、諡号は慈恵(じえ)、命日の正月3日に因んで元三大師と呼ばれることが多い。 延喜12…

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第28話~朱雀門に棲む鬼

鬼の住み処、朱雀門 山背国(やましろのくに)の葛野郡(かどのぐん)と愛宕郡(おたぎぐん)にまたがる地に造営された平安京。桓武天皇は10年間住んだ長岡京を捨て、永遠の平和を願い、794(延歴13)年に都を平安京に遷しました。 平安京は東西4.5キロメートル、南北5.2キロの広さで、その中央には南…

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第27話~赤子を食らう白髪の老婆の話

巻27第15話 産女行南山科値鬼逃語 第十五 今は昔、ある所に宮仕えしている若い女がおりました。父・母、親類縁者もおらず、少しの知り合いすらいなかったので、立ち寄る所もなくて、ただ局にいて、「もし、病気になった時に、どうしたらいいのだろう」と心細く思うと、これといった夫もいないのに妊娠しました。 そういうことで、…

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第26話~橋姫・鬼女・女神

橋姫(はしひめ)は、橋にまつわる日本の伝承に現れる女性・鬼女・女神である。 宇治の橋姫 鳥山石燕『今昔画図続百鬼』より「橋姫」。解説文に「橋姫の社は山城の国宇治橋にあり」とあることから、宇治の橋姫を描いたものと解釈されている。 宇治の橋姫(うじのはしひめ)は、京都府宇治川の宇治橋で祀られる橋姫。 多様な伝…

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第25話~魔鬼女-大嶽丸の妻と伝わる鬼女

魔鬼女(まきめ / まきじょ)は、宮城県の牧山に棲んでいたされる鬼女のこと。 大嶽丸の妻または妾とされており、都の将軍・坂上田村麻呂に討ち取られたという伝説がある。 魔鬼女は宮城県の牧山(魔鬼山)に棲んでいたとされる鬼女または蝦夷で、大嶽丸の妻あるいは妾であり、坂上田村麻呂との戦に敗れた後に田村麻呂によって魔鬼山…

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第24話~ヨモツシコメ-黄泉国の鬼女

黄泉醜女/泉津醜女/予母都志許売【ヨモツシコメ】 黄泉醜女(よもつしこめ)とは、日本神話に登場する黄泉国の魔物のこと。 イザナギが黄泉国から逃走する際に、イザナミに追手として遣わされたとされている。 黄泉醜女は、日本神話の「イザナギの黄泉国訪問神話」に登場する魔物で、イザナギが亡き妻であるイザナミに逢う…

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第23話~鬼女紅葉-戸隠山に棲んでいた美しい鬼女

鬼女紅葉(きじょもみじ)は、長野県の戸隠に棲んでいたとされる伝説の鬼女のこと。 元々は美しい女だったが、都で流刑に処されて戸隠山に追放されたことで、人々を襲う鬼となったとされる。 賊徒を従えて近隣の村々を荒らし回っていたが、朝廷から派遣されてきた平維茂によって討伐された。 鬼女紅葉は、長野県の戸隠山に棲んで…

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第22話~鈴鹿御前の物語~別れ、そして再び~

帝は大嶽丸を討った俊宗に様々な褒美を与え、盛大にお祝いしました。 しかし、俊宗は鈴鹿御前のことが気がかりで喜ぶ余裕もありません。祝宴もそこそこに、急いで鈴鹿山の屋敷に向かいました。 屋敷に到着して門をくぐったところ、人の泣く声が聞こえてきました。俊宗はもう気が気ではありません。 急いで部屋へ入ってみると、ある女房が言い…

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第21話~鈴鹿御前の物語~大嶽丸との戦い~

さて、鈴鹿御前との別れから三年、彼女の予言通り俊宗に宣旨が下されました。 「陸奥の国の霧山ヶ岳に大嶽丸という鬼が現れた。こやつは我々を滅ぼし、日本を魔物の住みかにしようとしている。急ぎこれを討て。」 俊宗は大嶽丸との戦いに備えて葦毛の駿馬を用意していました。この馬に金覆輪の鞍を据えて、腰にソハヤノツルギを差しすぐ…

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