さて、そうこうしているうちに二十一日となり、鈴鹿御前の予言通り、近江の国の蒲生山に高丸という鬼が現れ、日本を支配しようとしているという知らせが都に届きました。帝より高丸討伐の命令を受けた俊宗は十万騎余りの軍勢を率いて近江の国へと向かいました。
近江の国の蒲生山にある高丸の砦は、神や仏でも簡単に攻め落とすことがで…
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さて、年月が過ぎ少りんが三歳になった年の八月七日のことです。俊宗は人里離れた鈴鹿山の屋敷にて、ふと物思いにふけっていました。
(都から離れてもう何年経ったのだろう。せめて風の便りでもあればいいが、ここには誰もやってこないから都の様子はさっぱり分からない。ああ、都が恋しいなあ…
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むかしむかし、伊勢の国の鈴鹿山に立烏帽子と言われる盗賊がおりました。なんでもこの盗賊は姿を消すことのできる不思議な力を持ち、帝への献上品を奪い去っているというのです。これに困った帝は、坂上田村丸俊宗という将軍に、この立烏帽子を退治するよう命じました。
さて、帝の命令を受けた俊宗は五百もの軍勢を率いて鈴鹿山へとやって…
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福島県の安達ヶ原に鬼女の伝説が伝わっています。
鬼女はこの地の一つ屋に住んでいて、 訪ねてきた旅人を取って食っていました この 物語は 「黒塚」の名前でも知られています。
安達ケ原の鬼女
昔々ある日の夕暮れ、この地に東光坊裕慶という高僧とそのお供のお坊さん数人が訪れました。
「 もし、大変申し訳ないのです…
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酒呑童子の父とされる伊吹山の鬼
伊吹弥三郎(いぶきやさぶろう)とは、伊吹山に棲む伝説の鬼のこと。
伊吹山の神の子孫とされ、伊吹童子伝説において酒呑童子の父とされている。
滋賀県の伊吹山は、日本神話においてヤマトタケルに致命傷を与えたという伊吹山の神が鎮座することで知られているが、伊吹弥三郎は『御伽草…
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酒呑童子を退治した源頼光は、岩窟に捕えられていた婦女をすべて解放した。しかし、その中の伊予掾経友の奥方という女は心を病んでおり、その上 酒呑童子の子を身籠っていたので故郷に帰ることもできず、雲原南東の集落に住み着いた。里人はこれを哀れんで食物を与えたり、衣服を恵んでいたという。
やがて、女は男児を産んだ。これが鬼童であ…
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あるとき、源頼光が弟である源頼信の家の近くに行き、その家に泊まることになった。酒宴のとちゅう頼光が厠に立つと、童が捕えられていた。あれは何だ?と聞くと、「鬼童丸に候」という。頼信に、あれにいましめてをきたるものはたぞと問ひければ、鬼同丸也とこたふ
頼光は驚き、「鬼童丸ならばもっとしっかり縛っておくべきではないか?」…
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酒呑童子の伝説に関しては下記の文献が基本のようです。
「大江山絵詞」逸翁美術館蔵。15世紀初 頭南北朝 頃の成立。 通称「香取本」。 香取神宮の 大宮司家に伝わっていたもの。「酒伝童子絵巻」 サントリー美術館蔵。因幡池田家に伝わっていたもの。 16世紀初頭の成立。「御伽草子」の「 酒呑童子」。 16世紀末から17世…
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日本の鬼は、時にナマハゲのように神を思わせ、酒呑童子のように人のようにもなり、 醜悪怪異なおばけともなります。 そんな鬼の特徴をよく示しているのが「 こぶとり爺さん」の鬼です。鬼はコブを取るという超能力を持っているのです。そして、良いお爺さんのコブは取ってやる。 悪い爺いさんには コブをくっつける。昔の人は鬼は人の心次第で、…
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むかし、ある年のこと、ひでりが続き稲が枯れはじめた。困りはてた百姓が「誰でも良いから、雨を降らせてくれたら、一人娘のおふくを嫁にやるがなぁ」とつぶやいた。すると鬼があらわれ、「お前が今言ったことは本当か」という。「 村中の田が豊作になるように雨を降らせてくれたらな···」と約束する。
しばらくすると、雷が鳴り、雨が降り…
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