88···震々(ぶるぶる)
ぶるぶる又ぞゞ神とも臆病神(おくべうがみ)ともいふ。人おそるゝ事あれば、身戦栗(みせんりつ)してぞつとする事あり。これ此神のえりもとにつきし也。鳥山石燕『今昔画図続百鬼』“ぶるぶる”は別名ぞぞ神、臆病神とも言われ、取り憑かれると寒気を感じると云われている。なんの前…
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87夜~百々目鬼(どどめき)
函関外史云(かんくはんぐはいしにいはく) ある女生れて手長くして、つねに人の銭(ぜに)をぬすむ。忽(たちまち)腕(うで)に百鳥(ひゃくてう)の目を生ず。是鳥目(ていもく)の精(せい)也。名づけて百々目鬼(どどめき)と云。外史(ぐはいし)は函関以外(はこねから…
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86夜~比々(ひひ)
ひゝは山中(さんちう)にすむ獣(けもの)にして、猛獣(もうじう)をとりくらふ事、鷹(たか)の小鳥をとるがごとしといへり。
鳥山石燕『今昔画図続百鬼』
大きい猿のような妖怪。獰猛で人を襲い食べてしまうこともあると云う。山の妖怪なので山童(やまわらわ)、覚(…
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85夜~土蜘蛛(つちぐも)
源頼光土蜘蛛(くも)を退治(たいぢ)し給ひし事、児女(じじょ)のしる所也。
鳥山石燕『今昔画図続百鬼』山蜘蛛とも。
『土蜘蛛草紙』に登場し、これまた源頼光に退治されたと云う大きな蜘蛛の妖怪。
天保八年に描かれた『土蜘蛛草紙絵巻』には、源頼光らしき人物に首を斬られ、そ…
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84夜~野槌(のづち)
野槌(のづち)は草木(さうもく)の霊(れい)をいふ。又沙石集(させきしふ)に見えたる野づちといへるものは、目も鼻(はな)もなき物也といへり。
鳥山石燕『今昔画図続百鬼』
古くは「古事記」「日本書紀」にも登場する野の神であったが、いつしか…
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83夜~野衾(ぶすま)
野衾(のぶすま)鼯(むさゝび)の事なり。形(かたち)蝙蝠(かうもり)に似(に)て、毛(け)生(お)ひて翅(つばさ)も即肉(にく)なり。四の足(あし)あれども短(みぢか)く爪(つめ)長(なが)くして、木の実をも喰(くら)ひ、又は火焔(くはゑ…
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82夜~野襖(のぶすま)
夜道の行く手に、突然と壁の様に立ちふさがる妖怪。その場で少し休んで落ち着けば自然となくなるが、慌てると上下左右果てしなく壁を感じ気絶してしまう。そりゃ〜恐ろしい妖怪です。
って、塗壁(ぬりかべ)と同じやないけ〜!塗壁(ぬりかべ)と違い、いたってマイ…
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81夜~狢(むじな)
貉(むじな)の化(ばく)る事をさをさ狐狸(きつねたぬき)におとらず。ある辻堂(つぢだう)に、年(とし)ふるむじな僧(そう)とばけて六時(じ)の勤(つとめ)おこたらざりしが、食後(しょくご)の一睡(すい)にわれを忘(わす)れて尾(お)を出(いだ)せり。
鳥山石燕…
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80夜~魍魎(もうりょう)
形 三歳の小児の如し。色は赤黒し。目赤く、耳長く、髪うるはし。 このんで亡者の肝を食らふと云う。
鳥山石燕『今昔画図続百鬼』
死体を食べる。(((( ;゚Д゚)))生きた人間を食べる訳ではないのだが不気味ではある。きれいに食…
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79夜~邪魅(じゃみ)
邪魅(じゃみ)は魑魅(ちみ)の類(たぐひ)なり。妖邪(ようじゃ)の悪気(あくき)なるべし。
鳥山石燕『今昔画図続百鬼』中国の妖怪。
画を見ると獣系であるが、身体がはっきりとしていない。悪気と解説にあるように気配(あるいは気体)の様な妖怪であるのかもしれない…
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78夜~以津真天(いつまで)
広有(ひろあり)、いつまでいつまでと鳴(なき)し怪鳥(けてう)を射(ゐ)し事、太平記(たいへいき)に委(くは)し。
鳥山石燕『今昔画図続百鬼』
太平記によると、紫宸殿の上空に夜になると「いつまでも、いつまでも」と鳴く怪鳥が現れるようなった。貴…
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77夜~鵺(ぬえ)
鵼(ぬえ)は深山(しんざん)にすめる化鳥(けてう)なり。源三位頼政(よりまさ)、頭は猿(さる)、足手は虎(とら)、尾(お)はくちなはのごとき異物(いぶつ)を射(ゐ)おとせしに、なく声(こえ)の鵼(ぬえ)に似(に)たればとて、ぬえと名づけしならん。
鳥山石燕『今昔画図…
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76夜~骨女 (ほねおんな)
これは御伽(おとぎ)ばうこに見えたる年ふる女の骸骨(がいこつ)、牡丹(ぼたん)の燈籠(とうろう)を携(たづき)へ、人間(にんげん)の交(まぢはり)をなせし形(かたち)にして、もとは剪燈神話(ぜんとうしんわ)のうちに牡丹燈記(ぼたんとうのき)とてあり。
鳥山石燕『今昔画図続百鬼…
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75夜~毛倡妓(けじょうろう)
ある風流士(たはれお)うかれ女(め)のもとにかよひけるが、高楼(たかどの)のれんじの前にて女の髪(かみ)うちみだしたるうしろ影をみてその人かと前をみれば、額(ひたい)も面(おもて)も一チめんに髪(かみ)おひて、目はなもさらにみえざりけり。おどろきてたえいり…
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74夜~青女房(あおにょうぼう)
荒(あれ)たる古御所(ふるごしょ)には青女房とて女官(にようくはん)のかたちせし妖怪(ようくはい)、ぼうぼうまゆに鉄漿(かね)くろぐろとつけて、立まふ人をうかゞふとかや。
鳥山石燕『今昔画図続百鬼』
女房とは、もともと御所に詰めて貴人に仕えてた女性(女官…
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73夜~日和坊(ひよりぼう)
常州(じゃうしう)の深山(しんざん)にあるよし。雨天(うてん)の節は影(かげ)見えず。日和(ひより)なれば形(かたち)あらはるゝと云。今婦人女子(ふじんぢょし)てるてる法師といふものを紙にてつくりて晴(はれ)をいのるは、この霊(れい)を祭(まつ)れるにや。
…
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72夜~雨降小僧(あめふりこぞう
雨のかみを雨師(うし)といふ。雨(あめ)ふり小僧といへるものは、めしつかはるゝ侍童(じどう)にや。
鳥山石燕『今昔画図続百鬼』
雨師と云う雨の神様に仕えている妖怪らしい。傘を被り、手に提灯を持っている。
See You Again&…
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71夜~加牟波理入道(がんばりにゅうどう)
大晦日の夜、厠(かはや)にゆきて、がんばり入道郭公(ほとゝぎす)、と唱(とな)ふれば、妖怪(ようくはひ)を見ざるよし、世俗(せぞく)のしる所也。もろこしにては厠神(かはやのかみ)の名を郭登(くはくとう)といへり。これ遊天飛騎大殺(ゆうてんひきだいさつ)将軍とて…
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70夜~川赤子(かわあかご)
山川のもくずのうつに、赤子のかたちしたものあり。これを川赤子といふなるよし。川太郎、川童(わらは)の類ならんか。
鳥山石燕『今昔画図続百鬼』
どうやら河童の仲間で、赤ん坊の泣き声をだして人をだますらしい。川の方から赤ん坊の泣き声がするので、それを助けようと川辺に入り込む…
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69夜~船幽霊(ふなゆうれい)
西国(さいこく)または北国にても、海上(かいじゃう)の風はげしく浪(なみ)たかきときは、波の上に人のかたちののものおほくあらはれ、底(そこ)なき柄杓(ひしゃく)にて水(みづ)を汲(くむ)事あり。これを舟幽霊(ふなゆうれい)といふ。これはとわたる舟の楫(かぢ)をたえて、ゆく…
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